妊娠3ヵ月までの葉酸摂取量が不足すると、神経管閉鎖障害(無脳症など)という先天異常の発症リスクが高まることから、厚生労働省は葉酸サプリの1日400μgの摂取を推奨しています。
というのが、妊婦さんが葉酸を摂取する理由だとよく言われていますが、実は葉酸にはそれ以外にも非常に重要な働きがあります。
- 核酸(DNA)の合成
- 遺伝子発現の影響
- 悪玉アミノ酸ホモシステインの影響
この3つに、神経管閉鎖障害の発症リスクの低減を含めて4つの重要な働きが葉酸にはあります。
核酸(DNA)の合成
妊婦さんにとって、おなかに赤ちゃんがいるということは、胎児の細胞分裂が行われる分のDNAの合成をしないといけませんが、そのDNAの合成に不可欠な成分が葉酸です。(DNAが作られる際に、補酵素としての役割を担います。)
胎児の細胞分裂が活発な分、葉酸の必要量は激しく増加します。だからこそ葉酸摂取が必要になります。
遺伝子発現への影響
葉酸は「遺伝子の発現」にかかわっているため、「葉酸が不足」或いは「過剰」になると、胎児の「遺伝子の発現」に影響が出ます。
要は胎児の出生後の体質に影響を及ぼします。
============
※遺伝子の発現とは・・・遺伝子がもっている遺伝情報が、さまざまな生体機能をもつたんぱく質の合成を通じて具体的に現れること。
============
厚生労働省の定める適正な量(400~800μg)の葉酸サプリ摂取量であれば問題ありません。
※多くの葉酸サプリメントの一日摂取量の目安は400μgのものが多いです。(要確認)
悪玉アミノ酸ホモシステインによる影響
必須アミノ酸の一つ「メチオニン」の体内での代謝過程でバランスが崩れることでホモシステインという悪玉アミノ酸が作られます。
このホモシステインは葉酸が不足することで濃度が上昇します。ホモシステイン濃度が上昇すると胎児の生育に様々なトラブルを起こします。
※成人がホモシステイン濃度が上昇すると、心臓や血管系の疾患リスクが高まります。
まとめ
上記のように葉酸の摂取は、先天性異常の神経管閉鎖障害リスクの低減以外にも重要な理由があります。
そして神経管閉鎖障害以外の3つの重要項目に関しては、葉酸サプリメントである必要性はありません。
厚生労働省が推奨している神経管閉鎖障害リスク低減のために葉酸サプリメントを1日400μg摂取し、それ以外の葉酸は食品から摂取することがいいと思います♪
葉酸の摂取は少なすぎてもダメですが、多すぎてもダメですので、過剰摂取にならないように気を付けましょうね<m(__)m>