トキソプラズマ症とは?妊娠中の注意点は?

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妊婦さんが気を付けないといけない感染症にトキソプラズマがあります。

妊婦さんが感染すると、胎児にも感染することがありますので注意が必要です。

トキソプラズマ・トキソプラズマ症とは?

トキソプラズマとは原虫のことで、このトキソプラズマに感染するとトキソプラズマ症と言われます。

トキソプラズマ症の症状は成人の場合、軽い風邪のような症状が一定期間続く程度で収まります。しかし幼児などは、免疫力が低下しているときなどに感染すると重症化して死に至ることもあります。

重症化すると、脳炎や神経系疾患や心臓・肺・肝臓・眼球などに後遺症が残ることがあります。

今現在ワクチンはなく予防ができませんので、妊娠中の方は感染しないように注意することが大切です。

初感染がすでに終わっている場合は問題ありません。(産婦人科で調べることができます)

トキソプラズマの感染経路は?

トキソプラズマの感染経路は何種類かあります。

代表的なものを何種類かピックアップしました。

猫の糞尿からの感染

トキソプラズマは人や犬など温血動物に寄生しますが、犬などから感染することはなく、感染源となるのはネコ科の動物になります。

そのためトキソプラズマの感染経路は、猫の糞尿が手などに付着し、最終的には口から入り感染します(経口感染)。

猫の糞尿に直接触らなくても、フンをした土壌からの感染もありますので、ガーデニングや砂場遊び(子供の付き合いなどで)や、野良猫が糞尿をしそうな草むらなどを避けることが大切です。

感染している猫すべてを注意しないといけないわけではありません。感染している猫の中でもトキソプラズマを含む糞を排出するのは初感染してから数週間に限られます。この状態の猫の割合は、全体の1~2%に限ります。ですので、ペットとして飼っている猫が感染源となることは稀です。

生肉などからの感染

私たちが普段食べる食肉のほとんどがトキソプラズマに感染する可能性があります。(必ず感染しているのではなく、感染している可能性があります)

仮に感染している食肉を、生のまま食したり、過熱が不十分だったりすると、感染の原因になります。

さらに感染した食肉を調理した際に使用した包丁やまな板などに、トキソプラズマが付着している場合もあります。そのため食肉の調理をした後は、一度しっかりと洗浄してからほかの食材の調理をしましょう!!

妊婦さんから胎児への感染

妊婦さんが気を付けないといけないのはこの部分です。

妊婦さんがトキソプラズマ症に感染すると、胎盤を介して胎児へと感染が広がってしまう可能性があります。

妊婦さんが感染すると必ず胎児も感染するわけではありません。

胎児への伝染の可能性は、妊娠初期ほど確率が低い代わりに、感染した場合は重篤になりやすく、妊娠後期に向かってだんだんと感染確率は上がり、妊娠後期は最大で70%の確率で感染します。しかし妊娠後期になるほど感染しても症状は軽くなります。

トキソプラズマ症の症状は?

トキソプラズマ症の症状は成人の場合は、ほとんどの人で自覚症状のないまま収まります。症状が出る方でも、風邪による倦怠感や発熱のような症状が数週間続き次第に収まります。

※ここでは妊婦さんに向けての記事ですので、免疫抑制状態の場合やエイズ患者の場合の影響に関しては説明していません。

胎児の感染する先天性トキソプラズマ症とは?

先ほども記載しましたが、妊婦さんが感染すると胎盤を通じて胎児に感染する場合があります。

その状態で生まれた赤ちゃんは先天性トキソプラズマ症となります。

基本的には妊娠中にトキソプラズマに初感染した時にリスクになります。妊娠前6ヵ月以前に感染している場合は影響はありません。

※妊婦さんが初感染した場合、必ず胎児に感染が広がるわけではありません。

※妊婦さんの感染時期によって胎児への感染の確率や症状は変わります。

妊婦さんがトキソプラズマ症に感染しても、必ず胎児に影響が及ぶわけではありません。胎児が先天性トキソプラズマ症に感染する確率と症状がどのような...

まとめ

猫を飼われているからと言って極端に猫を恐れる必要はありません。ペットの猫を外に出さず且つ生肉を与えなければ飼い猫が感染源になることは極小です。ですので、いつもは外に出す猫も妊娠中は外に出さないことが大切です。

さらに、仮に感染していたとしても、フンが成熟する数日後にトキソプラズマに感染する危険が出てきますので、毎日糞の処理をしていれば感染源になることはありません。

以上を踏まえ、予防方法を以下まとめました。

  • 手洗いはよくする(特に調理の前後や、食事の際に)
  • ガーデニングや猫の世話をするときはゴム手袋を着用する
  • トキソプラズマは、冷凍処理(-20 ℃24時間)や熱処理(56 ℃15分)で不活化できるので、生食は食さず加熱し、食品は24時間以上冷凍するとベター
  • ペットの猫は部屋飼いにする。生食を与えない
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