母体血清マーカーテスト(出生前診断)とは。費用や診断方法・確率は?

母体血清マーカーテストとは?費用・検査方法・確率は?

母体血清マーカーテスト(トリプルマーカーテスト、クアトロテスト)とは、出生前診断の一つです。

いくつかある出生前診断の中では、採血した血液で検査をするだけで、母体への負担なくおなかの赤ちゃんの障害の可能性をある程度診断できます。

そのように手軽であるため、出生前診断を受診する人が最初に行う検査として利用されることが多いです。

この記事では、母体血清マーカーテストについて費用や受けられる時期・検査方法などについてまとめています。

母体血清マーカーテストの検査方法

妊婦さんから数ミリリットル採血して、血液中の成分を測定することでダウン症候群エドワード症候群神経管奇形であるかどうかの可能性を探る検査です。

母体血清マーカーテストでわかる障害

母体血清マーカーテストは染色体の異常がないかを調べる検査です。この検査の結果、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワード症候群(18トリソミー)、神経管奇形(二分脊椎、無脳症)の障害を発症している確率を算出できます。

神経管奇形(二分脊椎、無脳症)のリスク低減のために厚生労働省は葉酸サプリの摂取を初期の妊婦さんに推奨しています。
いろいろなサイトで、厚生労働省が妊娠一月前~妊娠初期の間の葉酸摂取を推奨している。 しかも食品からではなくサプリメントでと・・・。 ...

母体血清マーカーテストを受ける条件と時期・価格は?

母体血清マーカーテストは、希望する妊婦さんがだれでも受けられるテストです。

時期については、妊娠15~17週の間の妊婦さんから採血し診断をします。

およそ1週間から10日ほどで結果が出ます。

検査費用は1万円~2万円ほどの病院がほとんどです。

トリプルマーカーテスト、クアトロテスト2つの違い

母体血清マーカーテストには、トリプルマーカーテストクアトロテストがあります。

この2つのテストの違いは、分析する血液中の成分の数の違いです。

通常、母体血清マーカーテストは、母体から採取した血液で、以下のことを分析して疾患の確率を出します。

  • α-フェトプロテイン(AFP)
    ・・・胎児期に、主に肝で生成される特殊なタンパク
  • ヒト絨毛性胎盤刺激ホルモン(hCG)
    ・・・胎盤から分泌されるホルモン
  • 非結合型エストリオール (uE3)
    ・・・胎児の肝や副腎皮質から作られるホルモン(エストロゲンの一種)
  • インヒビンA
    ・・・胎盤から分泌されるホルモン

このうち、上記3つAFP・hCG・uE3の数値から算出したものをトリプルマーカーテスト。さらに、インヒビンAも加えて4つの項目より算出したものをクアトロテストといいます。

病院によってどちらかの検査しかしていないこともありますので、したい検査方法がある場合は、事前に病院に相談する必要があります。

ダウン症候群の確率を算出するときのみ、トリプルマーカーテストよりも4つの成分を測定するクアトロテストの方が精度が上がります。

エドワード症候群はAFP・ hCG・ uE3を分析して確率を算出し、開放性神経管奇形はAFPだけが確率の算出に利用されます。ですので、ダウン症候群以外の疾患には、トリプルマーカーテストでもクアトロテストでも精度に差はありません。

母体血清マーカーテストでどこまでわかる?

検査機関により表示に違いはありますが、算出された確率(300分の1など)と陽性・陰性かがわかるようになっています。

いずれにしても、トリプルマーカーテストとクアトロテストは確定診断ではなく、確率を診断してくれるテストです。

ですので、この結果で陽性となっても障害なく生まれたり、陰性でもまれに障害を持って生まれる赤ちゃんもいます。

【ダウン症候群の精度比較】

検出率 スクリーニング陽性率
クアトロテスト 87% 14%
トリプルマーカーテスト 85% 9%

【検出率とは】、母体血清マーカーテストを受けたダウン症候群の赤ちゃんを妊娠した人の中で、スクリーニング陽性の結果が出た人の割合です。

クアトロ検査の場合、クアトロ検査をした100人のダウン症候群の赤ちゃんを妊娠した人の中でスクリーニング陽性の結果が出てた人は87人ということです。つまり陰性だったのにダウン症候群だった人も13人いるということです。

【スクリーニング陽性率とは】、検査を受けた妊婦さんのうちスクリーニング陽性と判断された妊婦さんの割合えす。

このようにあくまでも確立を算出するためのものです。この結果陽性の結果が出た場合は、確定診断ができる羊水検査に進むかをご家族で相談してくださいね。

陰性であっても、0.03%の確率で先天性の疾患を持って生まれる赤ちゃんもいます。逆に陽性と診断されても、そのうち実際にダウン症候群の疾患を持って生まれてくる赤ちゃんの確率は0.02%です。

新型出生前診断とは

新型出生前診断とは、2013年4月より始まった診断方法ですが、受けられる条件が35歳以上や、受けられる病院が全国で70施設ほどとこれからの診断方法です。

母体血清マーカーテストと同じように血液を採取するだけで診断でき、母体血清マーカーテストよりもかなりの精度で診断できるテストです。

35歳以上の方が陽性の診断を受けた場合、約85%の確率でダウン症候群などの先天性疾患の赤ちゃんが生まれます。さらに加齢とともに陽性になった時に実際にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる可能性は高くなっていきます。

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母体血清マーカーテストのまとめ

母体血清マーカーテストは、あくまでもダウン症候群などの先天性の疾患の確率を出すテストであって「陽性なら絶対に疾患有り」、「陰性なら絶対に疾患なし」と確定できる診断ではありません。

陽性の場合は、次のステップとして確定診断のできる羊水検査を受けるかご家族でしっかり話し合ってくださいね。

私の周りのママさんなどの話を聞いていると、母体血清マーカーを受けることで安心感を得ようと軽い気持ちで診断したら、まさかの陽性が出て苦しんだという経験があるママさんもいらっしゃいます。

母体血清マーカーテストを受けられるときは、なぜその検査を受けようと思っているのかをしっかりと整理してから受けられることが望ましいと思います。

例えば、

先天性疾患があっても生むつもりだけど、前もってわかっていれば赤ちゃんを迎え入れる準備などができるので診断を受けるのか、

陽性が出た場合に、羊水検査も受けて確定診断された結果どうするかまで考えているのか?

などです。

出生前診断には賛否両論あると思いますが、それぞれ考え方は違いますので、それぞれの妊婦さんに合った一番納得いく、ベストな選択をして頂ければなと思います<m(__)m>

ちなみに私の家は、夫婦で相談した結果、どんな結果が出ても生むつもりでしたので、診断はしませんでした。(出産当時34歳)

※どうしても出生前診断を受けたくて、且つ受診できる条件が当てはまっている場合は新型出生前診断も候補にして考えると良いと思います。

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