新型出生前診断を受けるための条件の一つに、遺伝カウンセラーとのカウンセリングがありますが、遺伝カウンセラーとはどのような方々なのでしょうか??
認定遺伝カウンセラーとは
認定遺伝カウンセラーは、遺伝医療を必要としている患者や家族に適切な遺伝情報や社会の支援体勢等を含むさまざまな情報提供を行い、心理的、社会的サポ-トを通して当事者の自律的な意思決定を支援する保健医療・専門職である。
従来の先天性の疾患やメンデル遺伝をする疾患(形質)だけでなくガンや生活習慣病までが遺伝カウンセリングの対象になったのです。
「認定遺伝カウンセラー制度委員会より」(http://plaza.umin.ac.jp/~GC/About.html)
上記説明のように一部のガンなど、親からの遺伝が影響している疾患も遺伝カウンセラーのカウンセリングの対象です。
しかし今回の、新型出生前診断における遺伝については、遺伝的な病気などの意味の「遺伝」を指すわけではなく、遺伝子レベル(染色体レベル)の疾患についてのことです。
新型出生前診断で診断する13トリソミー(パトー症候群)、18トリソミー(エドワード症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)は、両親の遺伝構造に問題がなくても、偶然的に遺伝子に変異が起こる先天性の疾患です。
認定遺伝カウンセラー制度とは
認定遺伝カウンセラーになるためには、全国の限られた大学院で受講できる、「認定遺伝カウンセラー認定養成課程」を終了する必要があります。
課程を修了すると認定試験を受けられます。
この試験にも合格すると認定遺伝カウンセラーと名乗れるようになります。
認定遺伝カウンセラーになる基盤としての職種は以下です↓
認定遺伝カウンセラーとなりうる基盤の職種としては看護師、保健師、助産師などのメディカルスタッフや、臨床心理士、社会福祉士、薬剤師、 栄養士、臨床検査技師などのコメディカル・スタッフ、また生物学・生化学などの遺伝医学研究者やその他の人文・社会福祉系などの専門職が考えられる。
「認定遺伝カウンセラー制度委員会より」(http://plaza.umin.ac.jp/~GC/About.html)
認定遺伝カウンセラー認定養成課程を受講できる大学院一覧
2016年現在:14大学院
- 岩手医科大学大学院
- お茶の水女子大学大学院
- 川崎医療福祉大学大学院
- 北里大学大学院
- 京都大学大学院
- 近畿大学大学院
- 札幌医科大学
- 信州大学大学院
- 千葉大学大学院
- 東京女子医科大学大学院
- 東北大学大学院
- 長崎大学大学院
- 新潟大学大学院
- 藤田保健衛生大学院
カウンセリングは何をする?
新型出生前診断を受けるにあたっての遺伝カウンセラーによるカウンセリングでは、新型出生前診断の診断結果の見方に誤解が生まれないようにするための説明や、先天性疾患(例えばダウン症候群)への理解や、今の社会のダウン症などの患者さんの受け入れ対応などについての説明から、新型出生前診断の倫理的問題などの話になります。
実際にこのカウンセリングを受けた結果、新型出生前診断を受診するつもりだった妊婦さんの4割が診断自体をするのを止めたそうです。